3月11日の原発震災は私たちの平穏な日常生活を根底から壊してしまいました。原発から放出された大量の放射性物質は大気、水、海洋、大地と全てを被い、200万県民をことごとく放射能まみれにしました。30年以上も前から原発の危険性を訴えてきた私にとっても残念でなりません。
原発震災は、東京電力の人命を軽視した利潤追求行為が招いた事故であり、「人災」というものです。
原発は、当初から何ら根拠のない「安全神話」を振りまくことにより、押し進められてきました。今回の事故は、多くの専門家や地域住民が警鐘を鳴らしていたにもかかわらず地震津波対策を、東京電力が怠ったことが原因です。
この原発事故はこれまで国が振りまいてきた「安全神話」を崩壊させました。重大事故が否定できない以上、莫大な補償コストをを加えれば、原発を継続する経済的理由は根拠を失いました。この事故を契機に国の原子力政策に対する県民の不信は高まり、県も脱原発の方針を掲げました。国のエネルギー政策の転換こそが最重要課題になっています。
重大事故を引き起こした責任は、第一義的には東京電力にあります。もちろん国の責任も重大です。県も同罪です。県民の安全・安心を守る立場の県は、国の安全対策を鵜呑みにして思考停止の状態にあったからです。
重大事故を引き起こした東京電力の責任を明確にし、国民の税金と、電気料金の値上げなどによる国民負担を許してはなりません。また、東京電力の現有資産から損害賠償の原資を捻出させることです。あわせて事故を引き起こした経営者の責任を明確にし、事故の再発防止につなげることです。
いま、迅速にやらなければならないことは、県土の放射性物質の除去、放射能被曝による健康被害対策、賠償、そして復興への道筋を示すことです。
私は、みなさんにといっしょになって、放射能物質に汚染された県土、「いわき」を人に優しい地域と環境の再生に向けて取り組みます。